ある会社の会社概要の社長の経歴のところに、次のような文章がホームページに載っています。
『日系企業に3年間勤務し、1年間は管理者として従事しました。1年半、日本人向け不動産販売に従事し、半年間、マーケティングの業務を行いました。3年間は短い時間でしたが、日本のビジネススタイルや思考について多くを学びました。
例えば、時間を厳守することや納期を守るということがお客様の信頼を得るために最も重要であること、などです。』
この日本語の文章は、5年ほど前に大学を卒業後、わが社のベトナム法人に入社した、この会社のベトナム人女性社長が書いたものです。
5年前、彼女は、片言の日本語しかできませんでした。負けず嫌いで、彼女の横柄な態度に何度か叱った記憶があります。
しかし、その負けん気の強さは、見る見ると日本語の能力を向上させて行きました。一年後には、ビジネス会話ができるまで、社内では最も日本語ができる存在になっていったのです。
当時、ベトナムには、営業職という概念がありませんでした。時間給でもらうのが当たり前で、営業向けの成果給というような考え方はありませんでした。
しかし、彼女は、わが社で第一号の営業職となりました。日本人のお客さまにも慕われるようになり、成果もあげて行きました。
通常ベトナムでは、会社を辞める時、ある日突然に会社に来なくなってしまうことがほとんどです。彼女のように、就業規則を守って、何日前までの届けを出すというような人はいませんでした。
その彼女が、わが社を辞めて、直ぐに独立して社長になったのが、冒頭の会社です。私は、彼女の文章を読んで、学校の先生が卒業生を送り出すような気持ちになりました。
3年間という短い期間でしたが、彼女の人生の何か大きなきっかけを作ってあがられたような気がします。これからも一緒に仕事をしたことを肥やしにして頑張って下さい。
私は、そのように私自身に言い聞かせています。
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